一番つらかった敗戦を思い出してみる
鹿島戦の敗戦はかなりへこむかと思っていたがそれほどでもない。今年のサッカーは,6連勝していた時も今とそれほど変わっていたわけでもない。今年は結構つらいシーズンかなと思っていたからかもしれない。
今まで,一番こたえた敗戦は,やはり鹿島戦だった。1996年,唯一1シーズン制で行われたJリーグのアウェイの試合だ。それまでの磐田はここで勝てば首位という試合でことごとく負け続けた。この鹿島戦はドゥンガがブラジルのセレソンの試合でいなくて,かなりきびしいメンバーだった。磐田は2回リードして,2回追いつかれ,最後はPK戦で敗れた。東京行きの最終を告げるアナウンスがあったが,帰れるはずもない。試合後,呆然と人についていったら,駐車場へ向かう列だった。
終電もなくなり,呆然と鹿島神宮まで歩いた。途中鹿島スタジアムでバイトしている女性と同行するなどの思いがけない出会いもあったりしたのだが,呆然としていた私にはそれ(どれ?)どころではなかった。立ち上がれないほどの敗北感というのは,やはりあの試合だ。その後,磐田はステージ優勝し,年間優勝した。勝ったり負けたりで嬉しがったり悔しがったりしているけれど,悔しさは1996年のアウェイの鹿島戦ほどの悔しさはもう感じない。喜びは,1997年2ndの市原戦で優勝が決まった時ほどの喜びは,もうないだろうと思う。立ち上がれないほどの絶望。なにをやっても嬉しいほどの歓喜。そういったことは,おそらく二度と体験できないことなのだろうと思う。
今日の敗戦は,非常に悔しいものだが,それでもすべてが終わったわけではない。磐田の美しいサッカーがないから,1stは優勝しないほうがいい? ふざけんな。別に強いから,美しいフットボールをしているから磐田を見ているわけではない。磐田がただ磐田だから見続けているだけだ。今の磐田は勝負強いと思われている。でも,私はずっとただの勘違いじゃないかと思っている。そんなことはどうだっていい。磐田はどこまでもいつまでたっても磐田だ。
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